弊社は法人登記以前も含め20年以上海外でのM&Aサポート・海外市場調査をしてきております。ターゲット企業を探し、専門家を組織してDD(デューデリジェンス)を行うといったサービスを行っています。海外M&A(クロスボーダ―)のスタートからゴールまで全ての段階でのサポートをしております。
案件としては海外メーカーの買収、海外のホテルの買収、海外のレストランチェーンの買収、海外のサービス業の買収と様々ございます。
秘密厳守です。
海外M&Aについては、苦い経験があります。まだ企業勤めの時、海外の買収プロジェクトを推進しました。いわゆる有名M&Aアドバイザリーの企業と一緒に動いたのですが、基本的に、どこのアドバイザリー企業も得意なのは日本であり、海外のことになると途端に話が遅くなり、止まったりで全く話が進まないことを経験しました。もちろん、効率重視ですので、日本のアドバイザリー企業は日本の安心安全の案件に集中したいのは分かります。ビッグ4といわれるファームも実際似たようなものでした。案件が何千億円になればやる気になってくれますが、数億円-数十億円の話は1度相談した後は「案件ベースで・・・」という回答です。経験された企業も多いのではないでしょうか?そんな経験を経て、自力で、海外M&Aについて強くなるしかないということになりました。
日本にM&Aのサポート企業は数多くございますが、海外の案件に強いのは弊社です。
海外企業買収のメリットと戦略
日本企業が海外での製品・サービス展開を考える際、ゼロからスタートするのではなく、既存の海外企業を買収することで、迅速かつ効果的に市場に進出する方法があります。ここでは、なぜ日本企業が海外企業の買収を検討すべきか、そしてその具体的なメリットについて説明します。
海外企業買収の理由
1. 大規模市場へのアクセスと顧客基盤の拡大
- 買収を通じて既存の市場と顧客にアクセスできるため、迅速に市場シェアを拡大することが可能です。新市場への参入障壁が低くなり、現地の流通チャネルや顧客ネットワークを活用できます。
- 競争を減らし、規模の経済を達成することで、コスト削減や資本へのアクセスが容易になります。
2. 競争力の強化
- 買収により、競争優位性を確保し、市場シェアを増加させることができます。特に競争が激しい市場においては、現地企業の買収が迅速な成長と競争力強化につながります。
- 供給チェーンへの影響力を強化することも可能です。例えば、サプライヤーや流通業者との関係を強化し、コスト効率を向上させることができます。
買収の形態とそのメリット
1. 製品拡張型合併
- 同じ市場で活動する企業間の合併。この形態では、新しい製品を既存の製品ラインに追加することで、顧客基盤を拡大し、市場シェアを増加させることができます。
- 例えば、食品メーカーが健康食品企業を買収することで、製品ラインを拡充し、健康志向の顧客層にアプローチすることが可能です。
2. コングロマリット型合併
- 異なる活動を行う企業間の合併。この形態は、株主の富を増やすことを目的として行われます。
- 異業種間の買収により、事業の多角化を図り、リスクを分散させることができます。例えば、エネルギー企業が再生可能エネルギー企業を買収することで、収益源を多様化し、長期的な成長を目指します。
3. 市場拡張型合併
- 異なる市場で同じ製品を販売している企業が合併することで、より大きな市場と顧客基盤にアクセスすることができます。
- 例えば、日本の化粧品メーカーが欧米の化粧品企業を買収することで、現地市場に迅速に参入し、現地の消費者ニーズに対応した製品を提供することが可能です。
買収することのメリット
そもそも、なぜ、海外進出の為に買収するのでしょうか?
1. 規模の経済
- 買収によって資本へのアクセスが増加し、ボリュームが増えることでコストが削減されます。大規模な企業は、ディストリビューターとの交渉力が向上し、より有利な条件を引き出すことができます。
2. 人材へのアクセス
- 大企業は優秀な人材を確保しやすくなります。特に技術分野では、優秀なエンジニアや研究者を確保することで、技術革新を加速させることができます。
- 例えば、シリコンバレーの技術企業を買収することで、最先端の技術と人材を獲得し、自社の技術力を強化することができます。海外進出したことで、国内事業の強化も図れるというわけです。
3. リスクの分散
- 複数の収益源を持つことで、リスクを分散させることができます。一つの収益源が減少しても、他の収益源が支えることで、経営の安定性が向上します。
- 例えば、FacebookがInstagramやWhatsAppを買収したことで、ソーシャルメディア市場でのリスク分散を図り、多様な収益源を確保しています。
4. 戦略実行の迅速化
- 買収によって新市場への迅速な進出や新製品開発、研究開発のスピードを加速させることができます。0を1にすることは簡単ではありません。いくら事前の調査をしても、日本の製品・サービスが地元で受け入れられるかは全くわかりません。オーガニックな成長戦略に比べて、既に地元で受け入れられた会社の買収による成長ははるかに迅速で、安全です。
- 例えば、カナダ市場に参入する際、現地企業を買収することで、既存のクライアントベースや流通チャネルを活用し、迅速に市場シェアを拡大することができます。
5. 税制上のメリット
- 戦略的な産業や有利な税制を持つ国にある企業を買収することで、税制上のメリットを享受することが可能です。例えば、アメリカの製薬企業がアイルランドの企業を買収して本社を移転することで、低税率の恩恵を受けることができます。
- 具体的には、2016年に提案されたファイザーとアラガンの1600億ドルの合併は、税制上のメリットを享受するための一例です。もちろん、専門家と綿密な調査の上で見えてくる利点と言えます。
日本企業が海外市場に迅速に進出し、競争力を強化するためには、現地企業の買収が有効な戦略です。市場や業界に応じた適切な買収形態を選び、長期的な成功を目指しましょう。買収によって得られる規模の経済、人材へのアクセス、リスクの分散、戦略実行の迅速化、そして税制上のメリットを最大限に活用することで、グローバル市場での競争力を高めることができます。
ほぼ全ての業界で寡占化が進んでおり、現在の超円安傾向で、買わなければ買われるという状態が生まれています。
会社の規模に関わりなく海外M&A戦略は極めて重要になってくると思われます。
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