コロナ問題考察:JR、ANA、JALなど公共交通機関を救うのは「年間乗り放題チケット」の発行、個室導入
飛行機も乗り放題
コロナで公共交通機関の収益は壊滅
公共交通機関の将来像
事業コンサルによるコロナ禍で会社はこう変わる
<<アップデート:この記事を公表してから二か月後の12月23日、ピーチエアが定額乗り放題の計画を発表した。>>
先ずは、2020年10月10日の記事からの抜粋である。
「全日本空輸(ANA)が社員の副業範囲を大幅に広げる方針を固めたことが9日わかった。従業員が勤務以外の時間を活用して、ほかの会社とも雇用契約を結べるようにする。新型コロナウイルスの影響で航空需要が落ち込む中、収入の増加やスキルアップにつなげる狙いで、実現すれば大手航空会社では初となる。」
ANAが、本社及びグループ会社社員は、本格的にパートやバイトを許可するとした。これで、日中は社員として働き、帰宅後はウーバーイーツの配達や、スーパーのレジ打ちなど、柔軟な働き方をしてほしいという会社のメッセージである。当然、会社の給料、福利厚生は急激に減っていくし、働き方が多様化して、社員として生活が向上するという意味では全くないようだ。
ANAに限らず、コロナで公共交通機関は、立ち直れないほどのダメージを受けている。
人が動かない=コロナの抑制の構図は明らかである。人が動かなければ、公共交通機関の収益基盤は壊滅する。
これから5-10年はその調子でないかと考えている。その10年後には産業の面子も今と同じと思うなかれ。航空会社も今より、ずいぶん少なくなっているだろうし、JRや私鉄各社にしても、会社の統合、買収で、今よりも会社の数も減っていると思われる。
本業では食べていけないから、副業を許すという会社はここ10数年前から出始めていた。コロナによって、本格化するのであろう。
ANAは国際線の利用が8割ほど減っており、回復のめどはない。だからといって、本業をあきらめるような方向ではなく、可能性のある方向に全エネルギーを傾ける、つまり、国内需要を最大限にするための策が必要である。
乗り放題チケット
弊社の考えるのは「年間乗り放題チケット」の発行をすることである。
このチケットで、一年間、国内線エコノミーはすべて乗り放題にするチケットを販売する。
価格も、10万円以下に抑える。
これを基本料金として、毎回1000円とってもいい。飛行機をフルに飛ばして人件費、ガソリン代などがカバーできればよいのだ。
国内線が今まで以上に活気付くのではないか?飛行機が飛べば、関連する業種も活気付く。出張も増えるし、旅行も増える。飛行機で行くほどの距離なので、宿泊業界も活気付く。
これは、鉄道各社にもいえる。同様に新幹線など乗り放題にしてしまったらいいのだ。これにより交通機関は、サイズ間のあるキャッシュをまず手に入れることができる。そして、運営費用も稼ぐことができるのである。
個室導入
エミレーツなど中東系の航空会社で個室は既に存在した。VIPのための席であるが、本当のVIPはプライベートジェットを所有・リースしているので、あまり存在感はなかったように思える。この個室というコンセプトが、コロナ時代は非常に重要になる。
コロナを生き残る策として、飛行機の個室導入が加速すると思われる。値段は相当なものになるが、エミレーツのVIPルームほどではなく、これまでビジネスクラス程度の価格帯(但し、一部屋換算なので、1人でも4人分払う)となるのではないか?
同じことは、鉄道各社にもいえることである。新幹線の、グリーン車やグランクラスでも、コロナは心配だ。同じ空間に人が居ることが心配であるから、いくら値段が高かろうが、席がフカフカだろうが、関係はないのである。部屋としてしっかり仕切られてることが「価値」となる。個室には専用のトイレもついてもおかしくはない。
中途半端な、ビニールの間仕切りのようなアイデアを出してくる会社もあるだろうが、飛行機や電車という密閉された空間に他人と一緒に乗ることのリスクは、それでは解消されない。
搭乗も、他人とのコンタクトが最小限にされた方法がとられなければ、意味はない。空港の特別室から、車で飛行機まで行くという方法もあるのではないか(この方法はルフトハンザのあるメンバーには既に取り入れられている)?
筆者:
ユニークなアイデア、ヒラメキが企業を成長させるをモットーとする事業戦略コンサルタント。海外事業展開、新規事業立ち上げ、新製品開発、M&Aを専門とする。
Fortune 500の外資系の事業展開の顧問、日本企業、ラテンアメリカや東南アジア政府のアドバイザーを勤める。
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