展示会出展を成功に導くコツ
海外の重要展示会リスト、中国の重要展示会リスト、ベトナムの重要展示会リストがご好評いただいておりますので、今回は国内外の展示会・見本市を成功に導くコツを紹介します。
これまで中小企業から超大手企業まで日本国内の展示館でも、国際的展示会でも出展支援をしてきました。今回は、世界中の展示会・見本市で得た知見(展示会当日以前・以後にすべきこと、海外で展示会を行う場合の費用イメージ、技術系の展示会・見本市で起こっている盗難問題)を共有します。
<<海外展示会なら弊社に。弊社は、海外の展示会のブース設計、装飾、設営、運営してきました。販促品、POP、SPの企画・制作も行っております。>>
展示会当日前
まず、出展前に十分な準備が必要となります。
あるお客さんは、会議の中で、いくつかの不動産関連の展示会のご紹介をしたところ、一週間後に開催を控える海外の展示会に興味を示され、弊社の現地のコネで出展を可能にしました。お客さんの会社のスタッフの人たちはてんやわんやだったようです。
できるだけ早く適切な展示会を見極め、準備をしていくことが求められます。
1. 情報収集
AUMA展示会検索サイト(英語)やJETROのJ-messeなどで展示会の情報を定期的にお調べください。但し、AUMAやJ-messeは世界の主要展示会は網羅していても、非公開やニッチ・専門的な展示会・見本市はカバーできておりません。
ある国、ある地域の特定の層にアプローチをかけたい場合は、大規模な展示会より、小規模・非公開の見本市やイベントのほうがコスト的にも時間的にも効率の用意場合もあります。
弊社では、あまり知られていない展示会から、イベントの企画運営まで行っておりますので、事前にご相談いただければ最新の展示会・見本市の情報を提供いたします。
2. 決定権について社内で検討
海外の展示会では、来場者(バイヤー)は、意思決定のできる職位(大手で部長クラス、中小であれば社長など)がきます。誰がバイヤーかを見極めたら、具体的な商談ができる準備が必要です。
展示会・見本市に派遣するスタッフに、どこまでの範囲で決裁権を持たせるか社内で事前に検討し、承認を取っておくことが望ましいです。
3. 訪問者対応のトレーニング
想定の問答集を作成し、できれば何度か社内でロールプレイングをしておくことをお勧めします。質問だけでなく、「話しかけるところ」から行うのが肝です。
4. 英語のできるスタッフを配置
海外の見本市・展示会では、1ブースで、少なくとも2名のスタッフに商品説明、質疑応答に的確に返答できる英語のレベルが必要です。上記3.のトレーニングで恥ずかしがらずに英語で行ってみてください。本番では驚くほど気持ちが変わると思います。
東南アジアや中国での展示会では、現地語のネイティブの方は必須です。お互いに不十分な英語で分かった気になっても、具体的に案件をまとめることは難しいからです。
弊社では現地で対応できるスタッフ、通訳者の派遣も行い、ブースの運営が可能です。
5. 早めの告知・情報発信
出展することが決まったら、できる限り早めに自社ウェブサイト、メディア、SNSを通じて情報発信をして下さい。
言語は、最低英語で、出展する国の言語(その国の第一言語が英語でない場合)も必要です。展示会への参加者で、「本気」な方・企業は展示会の出展については事前の下調べをしてきますので、出展前から興味を高め、ブースへの訪問につながります。
6. ブースの理想的デザインとは
展示会・見本市に出展する目的は何でしょうか?
ブースのデザインは目的にそって考えます。
A. 会社のイメージ向上ならデザイン・ディスプレイ重視
マーケティング要素が強く置いた考えですが、ブースのデザインが企業イメージに直結します。ブースでの「経験」も重要な要素になりますで、スタッフの手腕が問われるところです。しつこすぎるのも良くないですが、さばさばし過ぎても逆効果になります。
B. 顧客獲得なら目立つ、引き込むデザイン
遠くから見ても目立つ、興味を沸かせるようなデザインは、人を呼びます。A.かB.かというより、どちらの要素も取り込みながら、出展目的に合わせ、デザインに取り込みます。
C. オンラインのイメージとのマッチング
御社に興味のある会社は、展示会前にネットで御社のことはある程度しらべているはずです。御社のウェブサイトのイメージ、コーポレートカラーなどと相反しないブースデザインが理想です。
D. 展示会・見本市主催者、現地政府の規定に沿っていること
展示会・見本市の主催者ごとに細かな規定を定めていますので、これらの範囲内でのデザインにする必要があります。例えば、海外の展示会では白熱灯が禁止されていることがあります。その場合は、LEDで代用します。政府の方針にも気を配る必要があります。中国など共産圏では特に注意が必要で、詳細はこちらで説明しました。
主催者側の提示するブースの是非
主催者側が出来合いのブースを提示してくれる場合がありますが、あまりお勧めはできません。
まず、提示してくるブースの値段は半端ないことがあります。例えば、米国の展示会は高額で有名です。その上、ブースの外見が他の出展者と同じになります。
具体的例でCeBITで、主催者側の提供してくれるブースは「基本プラン」で5626EUR以上、「いいかんじプラン」で6832EUR以上、「プレミアムプラン」で10166EUR以上の三つです(2017年)。これらはブース(出展費用(1㎡あたり242EUR)、電気代、コーヒー紅茶のケータリング含む。ネット回線や駐車場料金は、基本プランには含まれず)の値段です。日本円で80万円から130万円ほどになります。
ちなみに、これらはすべて12㎡までのブースの値段で、それ以上は値段が上がります。(ベトナムでの出展費用との比較はこちら)
利点として、込々プランなので、コスト計算が簡単で出展までの手間が省けます。最大の欠点は、これだけ払って他と似たようなものになります。ブースが他社と同じになることは「目立って人を引き寄せる」という展示会出展のブースの目的の真逆になります。
プロの業者に頼むか自らで、オリジナルのブース設計・設営をお勧めします。プロっぽいブースを作るなら、従業員の安全も考え設営専属のスタッフを用意するか、業者に頼むのが一番だと思います。
設営で怪我をして展示会当日にスタッフがいないなどあってはならないことです。予定より1人でも欠ければ、開催期間中は他のスタッフへの負担が増え展示会の投資効果は相当下がります。
このリスクも考えた上でスタッフの人数、保険関連を考慮し、展示会に臨んでください。
展示会当日
さて、いよいよ当日です。以下に注意してください。
1.服装について
暑くても寒くても対応できるよう服装を準備してください。屋外の場合は天気が読めませんし、展示会場は盛り上がって熱くなる場合もありますが、クーラーが寒い場合もありました。スーツとネクタイは準備して、会場に来ている訪問者の服装に合わせて、調節するのがいいでしょう。どんなに素晴らしいブースを用意しても、スタッフの服装が悪いと意味がありません。
2. 複数のスタッフを用意
ブースには常に人がいなければなりません。
ブースに人のいない時間は、即損失に繋がります。
個人事業でされている方でも、友人であったり、パートで雇い、少なくとも合計2人の体制で出展に臨んで下さい。少なくとも英語が話せ、人当たりが良く、御社の製品、サービスを理解していることが必要です。
できれば、話しかけ方や質疑応答のシミュレーションを30分、1時間でもいいので事前に練習しておくと本番で効果がでます。
3. 早めに展示会へ
展示会へはどのように向かうのでしょうか?電車でしょうか?車でしょうか?展示会場は大きいので、駐車場から会場まで遠い場合があります。ブース設営を自社でする場合は機材の搬入からパンフレットの設置など簡単ではありません。会場が開く前に、自社のブースの周りでどのような会社が出展しているかチェックし、気になる会社があれば軽い挨拶などしておくといいでしょう。また隣り合ったブースの出展者とも同じように挨拶をしておくことをお勧めします。
4. 持ち物リスト
ペンやノートなど必要なものはあらかじめ持ち物リストを用意します。忘れがちなのは、絆創膏、ハサミ、裁縫セット(ポケットに入る小さなセット)、ガムテープ、ヒモです。展示会ではいろいろなことが起こります。全てに対応はできないかもしれませんが、これらがあれば大きな助けとなります。
海外では、日本の展示会場のようにコンビニがある場合は少ないといえます。事前に準備をされることをお勧めします。
5. 訪問者のカテゴリー分
訪問者はリストにして、なにに興味があったか、お客さんになってくれそうかなどを記録して下さい。A、B、Cと簡単で良いので優先度合いをつけておくと、後のフォローアップで便利です。
6. フォローアップ
上記のリストに基づき、優先度順に連絡をします。展示会・見本市で最も重要なプロセスではないでしょうか?
7. 展示会の投資額を記録
展示会で必ず案件が決まるとは言えません。これまで関わった案件では、少なくとも展示会の出店費用は回収できたところがほとんどです。それ以外でも、展示会でブランド力が広まり、価値高まったことで、大きな案件に結びつくこともあります。
これは展示会の間接的ではありますが、大きな効果といえます。
ある程度に予算の無い会社の場合、毎年行っているから、丁度ブースが安かったからという理由で出店するのはおすすめできません。
展示会にいくら投資して、いくら儲かったのかを見極める必要がございます。
場をこなす
この記事を読まれて展示会に臨めば、それなりの結果は出せます。但し、100%の成功法はありません。
理由は簡単です。どれだけ準備しても、コントロールできない部分は必ず残るからです。日本の展示会ならともかく、海外の見本市・展示会であると、国によって商習慣物、関連する人の習熟度愛、物流網の整備など差がありすぎます。日本国内でも天候変化や突然のスタッフの病気などよくあることです。
出来る限り多く、そして海外の展示会・見本市に参加をしてみてください。突然の変化、ハプニングに柔軟に対応できるようになってきます。
この対応力は一朝一夕では習得できません。場をこなしていく過程で、本能的に身についてくるものです。
海外展示会の費用
別の項目で詳細に説明しますが、全て自社でやる場合や業者を挟む場合にもよりますが、出展費用ブース費用諸経費を含めて、海外の展示会であれば、150万円(3-4名の社員を日本から派遣)から1500万円(15-20名の社員を日本から派遣)ほどになります。
有名な世界的展示会では、ブースの規模にもよりますが、大企業は数千万円かけています。
お勧めできないのは、勝手のわからないうちはやりがちですが、機材を日本から輸送することです。費用や余計な手間が急増します。またそれなりに見栄えのするブースの設営はプロの方にお願いするのが安全です。
ハイテク、技術系の展示会は盗難に注意
展示会のデザインで上記とは別の観点なのですが、セキュリティ、リスク管理も十分に考慮する必要があります。
ハイテク産業の競争が激化する中、展示会での盗難が頻繁に起こっております。2017年のCESでも、レイザー社がProject Valerieと呼ばれる4K3分割画面ゲームPCのプロトタイプをブースから盗まれ、同社は25000USDの報奨金を提示しています。
同様の問題は、どの会社にも起こり得ます。
ブースへの来訪者は、無害な潜在顧客や勉強目的(暇つぶしの人もいるでしょう)の学生だけでなく、情報を盗もうとする競合他社や窃盗集団もいる前提で物事をお考え下さい。
新製品やプロトタイプや技術情報を展示する際にどう盗難を防ぐかもブース設計、運営の重要なポイントとなります。
国内外展示会・見本市出展トータルサービス
主催者側が指定・提示する業者や機材など、市場価格をはるかに上回ることが往々にしてありました。主催者側としては、なにも分からない出展者なら少しコストが高くても払ってくれるだろうとの考えです。
また、日本企業エリアに集められて出展することも、要検討です。日本の展示会・見本市でもよく見られますが、「ABC国企業のエリア」とありますが、そのエリアの企業の一つ一つをじっくり見たという方は少ないのではないでしょうか?出来合いの右も左も同じ形のブースでは目立つことはできません。
特に注目を集める新製品やすでに注目を受けている世界的企業であれば、ブースがなくても人は来るでしょう。ただ、一般の企業であれば「○○国のABC展示会に出展した」と、自社サイトの広報に記載するPR的意味を除いて、投資コストは水の泡になってしまう可能性があります。
もし出展するなら、「仕事につなげる」「投資コストを回収する」ことを目指したいところです。
例外もあるのかもしれませんが、これがこれまでの国内外の展示会を見てきた所見です。少しでもご参考になればと存じます。
<<国内外展示会なら弊社に。弊社は、海外の展示会のブース設計、装飾、設営、運営してきました。販促品、POP、SPの企画・制作も行っております。>>
Write a comment